あなたもこんな悩みをおもちではないですか?
一度きりしかない人生で家族や自分を大切にできるか不安に感じている環境に身を置くのは大変危険です。
そこで今回は、実際に夫婦そろって教員を辞め、転職を成功させた方のお話をご紹介します。
この記事を読むと
- 夫婦そろって、教員から転職する流れが分かる
- 転職後の教員夫婦の生活のリアルが分かる
- 家族を大切にしたい教員の生き方の一つが分かる
本記事の信頼性
当ブログでは「教員から次の人生を切り開く」をコンセプトに、教員の転職・お悩み解決ノウハウを発信します。僕のプロフィールはこちら。
教員を辞めようと思った理由
年を追うごとに、業務や心身の負担が増してゆくのを感じたのが主たる理由でした。多忙さと人間関係の難しさが相まって毎年休職者を出す環境の中、自身も休職を経験したことがあります。復職後も数年間勤めましたが、幼少期に決め込んだ人生設計が適切なのか疑問に思い、他の生き方に興味を抱いたことで退職を意識しました。
同時に教師から転職した夫も、業務量や心身の負担については同様です。彼の場合、専任になるには採用倍率の高い教科であることも理由の一つでした。貢献に応じて評価がなされる環境に身を置きたいという思いも、民間企業への関心に繋がったようです。
先生を辞めるきっかけになった出来事
同じく教員だったパートナーとの結婚が契機でした。学校では、結婚するとどちらか一方の退職や異動が慣習であることが多い印象です。相談のうえ二人で転職することを決意し、彼が期限付き採用であったため、任期満了に伴い退職する運びとなりました。
転職活動について
使った転職サービス
転職サービスは主に正規雇用を目指す夫が利用しました。およそ五つの転職サービスの力を借り、二度転職した経験があります。「デューダ(パーソルキャリア)」、「リクナビネクスト」、「リクルートエージェント」、「ユニポテンシャル」や、教育業界専門の転職エージェント「エデュケーションキャリア」にお世話になりました。教師からの初めての転職は、「デューダ(パーソルキャリア)」を通して歴史ある進学塾へ転職。二度目の転職は、「リクルートエージェント」の力を得てスタートアップ企業の塾へ就職し、現在に至ります。
転職サービスの良かった点・悪かった点
転職サービスの良し悪しは、担当してくれるエージェントに左右される節があります。自分に合う担当者探しが肝要であると言っても過言ではありません。
現在の勤務先を紹介してくれたエージェントは、過去教育業界で勤務した経歴があり、冷静な傾聴と落ち着いた課題提示が魅力でした。教育業界以外で「人と人を繋ぐ役割を担いたい」という希望に沿う転職先を適宜紹介してくださり、彼の「目指せる会社はたくさんある」という言葉で、その転職サービスを主軸に活動することを決めた経緯があります。結果的に自ら心惹かれて転職した企業が教育関連となりましたが、コンサルタントや転職エージェント、I T業界など様々な会社を提案していただいたことに感謝しています。書類の添削に加え、たくさんの面接練習と助言で支えてくれたことも大きな糧となりました。他方で、特性に合った斡旋をしていただけないエージェントも存在しました。彼らの中には教師をどう導いてよいのかわからない人もいるように見受けられます。
エージェントの多くに共通した特徴としては、誘導の強引さが挙げられます。転職サービス登録を皮切りに、書類作成から面談や応募まで、凄まじいノルマの量でした。説明や傾聴の乏しさを感じざるを得ません。自己分析や企業研究を充分に深めないまま応募を促されるのは茶飯事。利用者に与えられる課題の多さに比例して、エージェント本人に課せられているノルマも甚大なのでしょう。実際一度目の転職では、耳障りの良い言葉を真に受けて適切な選択ができませんでした。エージェントが皆、利用者を思い遣って斡旋してくれるとは限らないということを心得ておいた方がよいと感じています。
一方、構造的な部分での良し悪しもあります。初めての転職活動初期段階では、規模の大きな転職サービスを利用したところ、求人のあまりの多さゆえ情報過多に陥ったことがあります。その先の一歩を踏み出すまでに時間を要しましたが、求人の全体像を把握するのに有効でした。その点では、教育業界専門の転職エージェントも、先人の転職先を確認できたことで方向性を見出せて良かったです。
転職までの流れ
夫婦同時期の転職ということで、二人三脚の活動となりました。夫は退職に伴い、某進学塾へ一度目の転職を果たしましたが、希望していた業務内容や働き方との齟齬に疑問を抱く結果となりました。そうするうちに家族の病気が発覚したため退職し、家業や家事手伝いをする期間を経て、二度目の転職をした次第です。
教育業界から離れるつもりでしたが、彼の希望する「人と人を繋ぐ役割を担う業務」かつ、関心の高いI Tを用いた塾であるスタートアップ企業への転職を決めました。
夫の転職後1年程度は、環境や仕事に慣れることを重視し、生活の安定を図りました。私は、健康管理や彼の文章指導などの補助をしつつ、自身の自己分析や情報収集を重ねて今後の構想を練り、ライター業の活動に着手し始めた段階です。その間、個人でオンライン家庭教師として活動しようと準備を進めたこともありましたが、教育の醍醐味が対面指導にあることや、今異なる職種に取り組まなければ機を逸すると考え反故としました。
転職活動で大変だったこと
圧倒的に大変だったことは、「焦燥感の制御」です。落ち着いて冷静に転職活動ができるまでに、非常に時間を要しました。たちが悪いことに、それは転職活動を終えるまで完全に消えることはありません。キャリアの喪失やブランク、貯蓄や給与の減少などの金銭的な問題、自身の能力に対する自信喪失など、不安要素はたくさんあります。暫定的に主婦として過ごしている私自身も、肩書きだけを見た友人や親戚から、悪気なく「働かないのか」と焦燥感を駆り立てられる言葉を何度もかけられました。
夫婦双方とも、「自分には教育業界しか勤められないのではないか」という思考からの脱却に、骨が折れました。焦燥感をなだめて考えると、民間企業でも、人事や社内教育の役割、何らかの説明員など、教師としての経験を活かして応用がきく業務は多岐に渡ることがわかります。それを気付かせてくれたのは、エージェントとの面談の中での会話や言葉でもありました。
転職後の仕事について職業
現在の仕事内容
現在夫は教育系のスタートアップ企業が運営する、I Tを取り入れた学習塾に勤務しています。教室長として教室運営を任され、生徒や保護者との面談や連絡、進路指導や学習指導、アルバイト講師の採用から指導管理まで行っています。教員時代には、対生徒の業務が多くを占めていましたが、現在は生徒と保護者を繋ぐ役割を担う要素が多く、教師とは異なる種類のやりがいを覚えています。
私自身は、フリー素材サイトを投稿者として利用して、わずかに収入を得ています。不労所得的な副業と認識しており、主たる職業としてライター業を模索している最中です。
収入の変化(教員時代と現在の違い)
専任教師時代の年収は、年齢に応ずる統計の中央値を超えていましたが、100万円単位で減少しました。振り返ると、教師はボーナスや手当が多かったと思います。現状、塾勤めの夫の給与で夫婦二人の生活を賄っていますが、貯蓄で補いながらの生活です。現在居住する地域は家賃が高いこともあり、節約して1ヶ月あたりの収支がギリギリ黒字、年間では特別費も入れると赤字となり、新たな貯金もできていない状況です。たとえ、夫一人の生活だったとしても潤沢ではないため、副業を視野に入れることは必至でしょう。
転職して良かった点(メリット)
仕事の持ち帰りや休日出勤がなく、休日の確保ができるようになった点です。趣味や家族と過ごす時間を増やせたことは、このうえないメリットとなります。教師の頃は、休日とは名ばかりで部活動顧問や授業準備に時間を費やすのが常でした。食生活や睡眠時間を改善でき、心身の健康を感じて過ごせています。平日が定休日であるため、人混みを避けて出かけやすいのも魅力であり、私生活で生徒や保護者からの視線を浴びない安心感も味わっています。
また、教師の頃は読書に時間を割けずにもどかしい気持ちでしたが、読書週間が定着し、そこで得た情報や見識を生徒や保護者に還元できている実感を得られることも良かった点です。
転職して悪かった点(デメリット)
大幅な年収減が痛手でした。時間を得た反面で金銭的な余裕が無くなったことで、娯楽や買い物の活動を抑制せざるを得ないのが難点です。
民間企業特有の、ノルマの重視や顧客とお金を密接に捉える姿勢にも、完全には馴染めないのが正直なところ。仕事にまつわる発言権の有無が、どのような役職に就いているかによる傾向も特徴的で、社員の少しばかりの工夫や個性が、評価どころか指導対象と捉えられかねない雰囲気を、窮屈に思うことがしばしばあります。教師は同僚同士が「フラットな関係性」であるとは耳にしたことがありますが、年齢や役職を問わず、互いに尊重され裁量が委ねられていたのだと、離れて理解が深まることもありました。言うまでもなく、やりがいに関しては教師を超えられないのは事実です。
転職を考えている教員の方にメッセージ
在職中に転職サービスに登録し、全体像を把握しておくことをお勧めします。迷いがある場合も、転職活動を通して気持ちが明確になることがあります。始めてみるのが大切です。教師の転職活動は、多忙な点で困難極まります。特に充分な貯蓄や頼れるパートナーの存在、実家や友人など身を寄せられる環境がある場合は、退職や雇用形態を時間講師にするなどの段階を踏んで転職活動を行うのも手です。
着手したら、焦らないのが肝心です。焦燥感は後悔する結果を導きます。転職経験が負の遺産ではない時代は、教師も同じはず。免許と経験は無くなりません。また教育現場に戻りたくなったら、きっと帰ることもできます。
人生を俯瞰したときに、自分が何に重きを置きたいのか。どのような選択をしたとしても、転職活動は大切な気付きを与えてくれる良い機会となるでしょう。